我々は普段、絶対温度でおよそ300 K(ケルビン)、圧力10万 Pa(パスカル)の環境で生活しています。日常生活で体験できる磁場はせいぜい1 T(テスラ)程度です。
このような日常の温度・圧力・磁場スケールからかけ離れた世界(極限環境)では、我々のよく知っている物質でさえも驚くべき知られざる一面を見せてくれます。 物質に高い圧力をかけると、それまでエネルギー的に安定だった状態が不安定となり、全く異なる状態へと変化することがあります。 例えば鉛筆の芯の材料である黒鉛は圧力下でダイヤモンドとなり、典型的な強磁性体である鉄は圧力下で磁性を失うことが知られています。 また低温や強磁場のもとでは物質中の電子の波としての性質が顕著となり、普段見ることはできない量子力学的な効果が我々の目に見える形で現れます。 金属の電気抵抗がゼロになる超伝導現象は、低温における量子力学的効果の典型例と言えます。
小林研究室では極低温( 0.1 K以下)・高圧力(10億 Pa以上)・強磁場 (10 T以上)の極限環境下での物質の振る舞いを研究することで、これまで誰も見たことのない物質の性質や新しい現象を探っています。 研究室の見学はいつでも歓迎します。
700-8530 岡山県岡山市北区津島中3-1-1 岡山大学理学部物理学科
小林教授室: コラボレーション・センター棟407
荒木准教授室: コラボレーション・センター棟301
学生居室: 理学部1号館B340