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熱を電気に変換できる熱電物質の高性能化に成功
本学大学院自然科学研究科の野原実教授と工藤一貴助教の研究グループは、熱エネルギーを電気エネルギーに変換することができる白金化合物の合成に成功し、2013年8月30日、米国の応用物理学雑誌『Applied Physics Letters 』で発表しました。焼却場や自動車のエンジンなどから排出される廃熱を効率よく電気に変換できる熱電発電の実用化につながるものとして期待されます。
岡山大学の野原実教授(物性物理学)と工藤一貴助教(物性物理学)の研究グループは、熱エネルギーを電気エネルギーに変換することができる白金化合物の合成に成功し、米国の応用物理学雑誌 “Applied Physics Letters”(8月30日付け)で発表しました。今日、消費されるエネルギーのうち約3分の2が廃熱として環境中に排出されています。例えば、発電所の廃熱や自動車のエンジンからの廃熱です。これらの捨てられている熱を、効率良く電気に変換することができる熱電変換材料の研究が盛んに進められています。しかし、発電性能を向上させるには、大きな熱起電力という(電気が流れ難い)半導体が持つ性質と、電気が流れ易いという金属が持つ性質を両立させる必要があります。今回、野原教授らは、白金、ロジウム、ヒ素を特定の割合で調合し、加熱して化合させた物質がこれら2つの性質を合わせ持ち、その発電電力がビスマスとテルルを化合させた市販の熱電変換材料の約1.5倍に達することを発見しました。また、廃熱発電に適したセ氏300度程度の高温でも、その性能が維持されることが分かりました。現在、白金などの貴金属を用いずに同等の性能を得るための研究が進められています。
この研究成果によって、地球温暖化防止など、様々な分野における熱電発電の技術開発の促進が期待できます。
この研究は、JSTの先端的低炭素化技術開発(ALCA)「フラットバンド機構による高効率熱電変換材料の開発」(代表:野原実)の一環で実施されました。
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