題目 | Bファクトリ−で探る消えた反物質の謎 |
講師 | 住吉 孝行 氏 (東京都立大学大学院理学研究科) |
日時 | 7 月 18 日(木)15:00 - 16:30 |
場所 |
コラボレーションセンター
4階 共同研究室 (岡山大学津島キャンパス内 ) |
要旨 | 我々の住んでいる宇宙は、百数十億年前にビッグ・バンで誕生したと考えられている。誕生したばかりの高温状態では、粒子と反粒子がきっちり同じ数だけ創られたはずである。ところが、我々の身の回りや宇宙にはほとんど反粒子や反粒子で出来た反物質などを見る事は無い。それでは反粒子はどこに消えてしまったのであろうか? その謎を解く鍵がCP対称性破れである。即ち粒子と反粒子で物理法則に違いが有ると言う訳である。 1964年、素粒子の世界でCP対称性の破れが発見された。中性K中間子の崩壊で約0.3 % 程度のCPの破れが見つかったのである。それを上手く説明する理論的モデルが小林・益川により提唱された。このモデルを信じれば、bクォークを含むB中間子で大きなCP非対称性が期待される。本当にそうなのか否か?それを確かめる実験が、つくばの高エネルギー加速器研究機構で行われているBファクトリー実験である。 これまで、約9000万事象のB中間子と反B中間子対がこの実験で創られている。これらのB中間子の崩壊を詳しく調べるてみると、予言通りB中間子と反B中間子で約80%の大きなCP非対称性がある事が分かった。この発見はB−ファクトリー実験の最初の成果であるが、それ以上に面白い結果も見えてきている。 談話会では、今が旬のB−ファクトリ−実験を解説したいと考えている |
世話人 | 理学部物理学科 中野 逸夫 (TEL: 086-251-7817) |