題目 |
宇宙マイクロ波背景放射が明らかにする宇宙の現在・過去・未来
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講師 |
杉山 直 氏
(自然科学研究機構 国立天文台 理論研究部 教授)
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日時 |
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場所 |
コラボレーションセンター 3階 コラボレーション室
(岡山大学津島キャン
パス内 ) |
要旨 |
宇宙マイクロ波背景放射は、宇宙誕生後40万年の情報を今に伝えるビッグバ
ンの化石である。空のありとあらゆる方向から、ほとんど同じ強度、すなわち
温度2.725Kの黒体放射としてやってきている。1992年に、COBE衛星によって初
めて、10万分の1というごくわずかな値ではあるが、方向による強度の濃淡、
つまり温度揺らぎが発見された。2002年にはWMAP衛星が、さらに詳細な温度分
布の測定を行うことに成功した。一方、理論計算によって、この温度揺らぎに
は宇宙の発展、さらには運命まで決定するような重要な情報が内在されている
ことが明らかになってきた。例えば、物質の量や、元素の量、空間の曲がり具
合い、宇宙の膨張速度などである。WMAP 衛星の結果によって、宇宙の姿・形
が明かされたのである。そこで見えてきたのは、暗黒に支配される宇宙であっ
た。ここでは、どのようにして宇宙の姿・形が宇宙マイクロ波背景放射の温度
揺らぎによって解明されるのかを解説し、合わせてその結果として得られた暗
黒宇宙の運命とはどのようなものなのかについても想像を巡らすこととする。
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主著書
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「膨張宇宙とビッグバンの物理」 岩波講座 物理の世界 2001年
「宇宙 その始まりから終わりへ」朝日選書 2003年
「宇宙マイクロ波背景放射ゆらぎの研究」 2001年 第16回西宮湯川記念賞受賞
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世話人 |
理学部物理学科 作田 誠(TEL: 086-251-7822) |