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令和8年度(2026年度)第6回 物理教室談話会
| 題目 | 極性半金属・半導体の構造制御による新機能物性開拓 |
| 講師 | 高橋 英史 氏 (大阪大学基礎工学研究科物質創成専攻・准教授) |
| 日時 | 10月27日(火)13:00 |
| 場所 | 理学部本館 第21講義室 |
| 概要 | 空間反転対称性の破れによって生じる極性構造は、強誘電性や圧電性、非線形伝導など多彩な物性の起源となる。近年、金属や半金属、電荷密度波(CDW)系においても極性構造と伝導電子の結合が注目されており、極性構造の形成や不安定性を利用した新たな電子機能の開拓が期待されている。特に、複数の結晶構造がエネルギー的に競合する系では、圧力などの外部刺激によって極性構造を制御し、電子状態や輸送特性を大きく変化させられる可能性がある。
本講演では、層状半金属MoTe2と極性CDW半導体EuTe4を対象に、極性構造の不安定性と熱電物性の関係、および圧力による極性構造の制御について紹介する。MoTe2では、極性構造と非極性構造がエネルギー的に近接しており、圧力によって結晶構造を制御することができる。本講演では、圧力誘起構造変化と熱電輸送特性の関係に着目し、構造不安定性が熱電物性に及ぼす影響について議論する[1]。 一方、EuTe4では、CDWに伴う格子変位と層間の相対変位によって極性構造が形成される。この系では、室温付近で約500 μV/Kに達する巨大なゼーベック係数が観測されており、極性構造の不安定性と熱電応答の関係が注目される[2]。さらに、局所的な圧力印加によって極性ドメインを再配置できることが明らかになっている[3]。これらの研究を通じて、極性構造の不安定性を利用した熱電物性の制御と、外部刺激による新たな電子機能の創出に向けた可能性を議論する。 [1] H. Takahashi et al., Physical Review B 100, 195130 (2019). [2] H. Takahashi et al., Phys. Rev. X Energy 4, 033009 (2025). [3] H. Takahashi et al., Communications Materials (accepted). |
| 世話人 | 異分野基礎科学研究所 大槻太毅(内線 7901) |







