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「次代を拓く-工業材料キーワード32」に選出 野原教授、工藤准教授らの研究

 日刊工業新聞社が全国の大学や研究機関などから選ぶ「次代を拓く-工業材料キーワード32」に、本学大学院自然科学研究科(理学部物理学科)の野原実教授、工藤一貴准教授、伊庭恵太大学院生らの研究「鉄系122型超伝導体において臨界温度45ケルビンを達成」が選出されました。
 本キーワードの選出は、日刊工業新聞社が発行する「工業材料」が隔年で行っているもので、萌芽期の新素材、改良などで実用化が期待されているイノベーション材料など32テーマを選出しています。野原教授らは、鉄系超伝導物質について、レアアース(希土類元素)をほとんど使わず安価に製造し、電気抵抗がゼロになる超伝導状態へ移行する温度を同タイプの物質では世界最高となる絶対温度45ケルビン(零下228度)まで引き上げたことが評価されました。「工業材料」(2014年1月号:Vol.62, No.1)に特集されています。
 従来の鉄系超伝導物質は、サマリウムなどの高価なレアアースを主成分としていましたが、野原教授らが開発した物質は、カルシウムと鉄が主成分で、レアアースの中でも最も安価なランタンとリンを微量混ぜたものです。線材への加工が容易で、医療用の磁気共鳴画像装置(MRI)やリニアモーターカーを浮上させる超伝導電磁石への応用が期待されています。

発表論文:K. Kudo, K. Iba, M. Takasuga, Y. Kitahama, J. Matsumura, M. Danura, Y. Nogami, and M. Nohara, Emergence of superconductivity at 45 K by lanthanum and phosphorus co-doping of CaFe2As2, Scientific Reports 3, 1478 (2013). (DOI: 10.1038/srep01478)
http://www.nature.com/srep/2013/130318/srep01478/full/srep01478.html

【本件問い合わせ先】
大学院自然科学研究科 教授 野原実
TEL:086-251-7828

(14.01.08)


「次代を拓く-工業材料キーワード32」に選出された野原教授(右)と工藤准教授


物質開発を行った大学院生の伊庭さん