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講演会のお知らせ (11/12:岩井伸一郎先生 東北大学大学院理学研究科)

演題:単一サイクル赤外パルスで拓く強相関有機金属の瞬時強電場効果
講師:岩井伸一郎先生(東北大学大学院理学研究科)
日時:11月12日(木) 16:15〜17:45
場所:コラボレーション棟3階 コラボレーション室
概要:
近年の超短パルスレーザー技術の発展によって、我々はかつてないほどの強い振動電場を物質に印可することができるようになった。
そのような強い振動電場の下で、固体中の電子はどのように振る舞い、物性を変化させるのだろうか?[1]
本講演では、パルス幅7 fsの赤外パルス(1.5 サイクルパルス)の瞬時強電場によって、強相関有機伝導体が絶縁化する様子について紹介したい[2]。
有機伝導体はこの10年間、光誘起相転移の主な対象であり続けているが、そのほとんどは、絶縁体(ダイマーモット絶縁体、電荷秩序)から金属の”秩序の融解”であった[3-7]。
それに対し、本講演では、光による秩序の形成の可能性を議論する[2]。
光の高周波AC電場による電子の局在化は、動的局在と呼ばれる概念として30年前から理論的に予想されてきた[8]。
我々が観測した、電荷の局在現象と、動的局在の関係についても議論する。

1. H. Aoki, N. Tsuji, M. Eckstein, M. Kollar, T. Oka, P. Werner,
Rev. Mod. Phys. 86, 780 (2014)
2. Ishikawa, Yonemitsu, Iwai et al.,Nature Commun. 5, 5528(2014).
3.S. Iwai, K. Yamamoto et al.,PRL98, 097402(2007).
4.Y. Kawakami, S. Iwai et al.,PRL103, 066403 (2009).
5.Y. Kawakami, K. Yonemitsu, S. Iwai et al.,PRL105, 246402(2010).
6.K. Itoh, Sasaki, Ishihara, Iwai et al.,PRL110, 10640(2013).
7.H. Itoh, K. Itoh, Iwai et al., APL104, 173302(2014).
8. Dunlap and kenkre, Phys. Rev. B34, 3625(1986).

連絡先:池田直(内線7810)