物理学科概要

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物理学科カリキュラムポリシー

 理学部物理学科は,ものごとを広い視野で見て,科学的に考え,論理的判断し,社会に貢献できる人材の育成を目的としています。このため,自然現象を明解な法則であらわす物理学を中心とした専門教育カリキュラムを用意しています。また,人類の持続的発展に関係するさまざまな問題の理解の糸口として,多彩な教養教育科目,理学部共通の専門基礎科目,そして情報教育科目をも選択することができます。 理学部物理学科では,4年間の一貫した教育コースを設定しています。1年次には,教養教育科目に加えて,専門基礎科目と力学や電磁気学,情報物理学実験などの専門教育科目を学びます。また,英語や数学など物理学を学習する上で基礎であり必須である科目を身につけます。2年次には,量子力学,振動波動,情報物理数学,熱力学などの科目が加わり,専門科目の割合が高くなります。また,これらの基幹となる講義の理解を深めるための演習科目も設定されています。3年次以降の講義では,現代物理学のコアとなる統計力学や相対性理論に加え,固体物理学,原子核物理学,素粒子物理学などの,より専門的な教育を提供しています。このように高学年の講義の履修には,1,2年での講義が基礎となるように体系的学習を意識したカリキュラムとなっています。また3年次の物理学実験では少人数で各研究室での実験・実習を経験し,研究室での研究内容について理解を深めます。4年次では実験系または理論系の研究室を選択し,卒業研究(情報物理学課題研究)を行います。配属先の各研究室では,少人数教育により研究やプレゼンテーションに関する密度の濃い教育をおこないます。 物理学は積み上げが重要な科目です。このため講義,演習,実験が互いにおぎない,上昇するらせん階段のように学ぶことで,先端の研究に到達して,理系のエキスパートとして活躍可能な専門知識が獲得できるカリキュラム構成になっています。

人間性に富む豊かな教養【教養】

多様な問題に関心を持ち,広い視野で見て考えることのできるように,教養教育科目および理学部開講の専門基礎科目を受講します。教養教育科目では,ガイダンス科目,主題科目,個別科目,外国語科目を設定しています。専門基礎科目では,講義と実験により幅広い自然科学の基礎知識を修得します。専門分野の基礎になると同時に,学際分野に進む人にも対応できるカリキュラムです。

科学的理解につながる専門性【専門性】

物理的な考え方の基盤となる力学,電磁気学,統計力学,量子力学と演習とを組合せ,基礎から修得するカリキュラムを提供します。物理学を理解するために,実験の役割は重要です。各学年で十分な時間を実験に割り当て,実験のやり方を習熟し,実験結果から物理的な考察へと至る道を追体験します。3年次以降に,現代の問題にも密接に関連する固体物理学,相対論,原子核物理学,素粒子物理学などの専門的な講義を学びます。4年次には実験系または理論系の研究室を選択し,課題研究を行います。研究活動を通して社会で求められる科学的知識を基に,論理的に考え判断することを身につけます。

効果的に活用できる情報力【情報力】

情報を効果的に活用するために,演算や,記憶装置などに関するハード面での知識を修得するための情報物理学実験等を実施します。情報の処理に不可欠な数学的な知識を深めるために情報物理数学や情報システム科学を開講します。また,実際の情報活用に重要な科目も学習し,情報化社会で活躍できる人材を育成します。

時代と社会をリードする行動力【行動力】

海外で通用する言語力を獲得するため,教養教育科目の外国語科目に加え,専門科目でも少人数による英語学習の機会を提供します。学生同士のプレゼンテーションなどの機会を設定し,議論と思考力を重視する教育を行います。

生涯に亘る自己実現力【自己実現力】

大学4年間で獲得した物理の知識と能力を,就職先や進学先での開発や研究に活かせるように,発表会など実践を含めたカリキュラムを実施します。生涯にわたって成長できる学士力を育成するため,上記に加えスポーツや文化活動を含む教養教育科目を広く提供しています。

その他

理学部物理学科では,卒業要件単位の他に,「課題研究」を履修するために必要な単位数を設定しています。これは専門知識の体系化ができてこそ,さまざまな課題にしっかりと取り組めるからです。岡山大学理学部では,複合的・学際的な学問分野に対応,進出できる学生を育成することを目的として,幅広い分野の科目を選択履修することができる「複合領域科学コース」を設けています。複合領域科学コースに登録を許可された者は,3年次終了時に必要単位数を修得し,課題研究を担当する教員の同意が得られていれば,志望する教育・研究分野で課題研究を行うことができます。