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先輩からの一言 (吉田翔伍 氏)

吉田翔伍氏 (2018年度 私立大学からの編入, 現トヨタ自動車株式会社)

 私は平成30年度、物理学を深く学びたいと考え岡山大学理学部物理学科に3年次編入しました。編入学当初、カリキュラムの違いから未履修の科目が多いこと、慣れない生活環境等で非常に苦労いたしました。その際には教授の皆様方の教育力や同期の方々の力をお借りして乗り越えることができました。そういった環境は長年にわたり培われてきた文化であり、岡山大学ならではの特徴だと感じております。
 その後、大学院自然科学研究科博士前期課程数理物理科学専攻に進学し、低温物性物理学研究室にて銅酸化物高温超伝導の研究を行いました。超伝導とは低温で電気抵抗になる現象のことで、銅酸化物高温超伝導は長く研究されているにも関わらず、未だに超伝導になる理由が判明していない分野です。私はそのような分野に、一軸圧力といった新技術を用いて実験を行いました。一軸圧力とは、結晶に対して一方向にのみ圧縮または引っ張りを加える難易度の高い技術であり、悪戦苦闘の時期もありました。そういった中でも同期の存在は偉大で、定期的にお互いの研究の進捗や困りごとを共有することで励まされ、最後まで諦めずに研究を続けることができました。また、指導教員の方々には知識だけではなく初歩的な研究への取り組み方から実験作法まで多くのことを指導いただき、それらは社会に出てからも役に立っております。特に、結果が出ないときに粘り強く研究を行ってきた経験は今後の人生にも役に立つだろうと感じています。そのような二年間を経て、修士論文は優秀賞を受賞しました。私は現在メーカーに勤めておりますが、学生時代に学んできたことは無駄にはなりません。他者を受け入れ成長できる環境、それらを支える指導力のある岡山大学に入学できて本当に良かったと思います。