- １．圧力誘起量子相転移の探索、及び物性測定
- CeIn3、UGe2などの重い電子系化合物は常圧では通常の磁性体ですが、圧力下で超伝導が誘起されます。これらの超伝導は通常の金属などに見られるBCS超伝導とは異なるメカニズムで発現しており、現在の物性物理分野で注目されているトピックスの一つです。私たちのグループは様々な物質に加圧することで、このような超伝導などの新しい量子相を発見する事を研究目的としています。また、その量子相の起源を明らかにするため電気抵抗、磁化、比熱、NMR(核磁気共鳴法)などの多様な測定手段を用いて系統的な物性測定も行っています。
・ UIrにおける圧力誘起超伝導の発見
・ CeNiGe3における圧力誘起超伝導の発見
・ PrFe4P12における圧力誘起金属－絶縁体転移の発見
・ インデンター型圧力セルを用いた高圧NMR測定
２．金属錯体に吸着した酸素の磁性- 金属錯体（ホスト）にある直径１ナノミリメートルの無数の穴の中に酸素や二酸化炭素などの物質（ゲスト）を吸着させることが出来ます。例えば酸素をゲストとして吸着させた場合、通常の酸素分子とは異なる磁性が見える事が分かってきました。また、この金属錯体（ホスト）は組成を変えることによって穴の大きさ、間隔までも変えることが可能で、それはその時のゲストの性質にまで影響します。私たちはそのゲストの性質の変化について研究を行っています。
