2017 News
JAXA/ISASの辻本匡弘さんが来学し、Hitomi衛星に関するセミナーを講演しました。
辻本さんは、Hitomi衛星計画の初期から深く携わり、特にSXS(X線マイクロカロリメータ)装置の開発・運営に
大きく寄与されました。セミナーでは、SXSについての紹介と、カニ超新星残骸の観測結果について
発表されました。沢山の質問があり、有意義な議論がされました。
写真は、辻本さんのセミナーの様子です。
辻本さんは、Hitomi衛星の経験に基づきLiteBIRDのディジタル読み出し部分の開発を中心になって
行う予定であり、今回の来学では、今後の開発指針についての議論を行いました。
フランスのパリ第7大学のGuillaume Patanchon 准教授が来学し、
当研究室に4日間滞在しました。
Guillaumeさんは、昨年の9月にも来学しており、今回で2回目です。
主にLiteBIRDの研究に関する打ち合わせを行うことが目的でした。
Planckの経験に基づいてLiteBIRDに関する深い議論ができたのは大きな収穫です。
新しい論文も共著で執筆することになっています。
夕食にカキオコを食べに行きました。フランスでは牡蠣は生でしか食べないそうですが、
お好み焼きと一緒に牡蠣を食べるのは初めてで、日本にきて一番おいしかったと言っておりました。
右の写真は、大学の近くのカフェでの昼食の様子です。右から2番目がGuillaumeさんです。
Planck衛星の経験を持つヨーロッパの研究者がコンソーシアムをつくり、
LiteBIRDに参加するための会議がフランスのパリで行われました。
フランス・イギリス・イタリア・ドイツ・オランダなどヨーロッパの国々の
方たちと今後のヨーロッパグループのLiteBIRD計画での研究計画について
議論がありました。石野はその中で系統誤差全般に関するプレゼンを行い、
沢山の議論と今後の研究の展望と具体的な計画について議論を行いました。
LiteBIRDグループは、ますます国際的となりつつあり、今回の会議では、
その実現に向けて大きな一歩になったことは間違いないと思います。
パリはあいにくの雨でしたが、現地の研究者と昼食・夕食をともにし、
語り合えたのは大変良かったです。
LiteBIRDでは日本グループのメンバーが定期的に一同に会して濃密な議論を行い、計画の推進を行っています。
今回は岡山大学で2日間にわたって行われました。総勢30名弱が集まり、これまでの研究の進捗状況の報告、
結果に対する議論と、今後の研究・開発計画の指針をたてました。LiteBIRDは、現在概念設計の段階であり、
ミッション要求を満たす衛星の設計を行っているところです。会議は限られた時間でしたが、大変有意義な議論が
できました。今回の会議の準備・運営において、当研究室の秘書さん・研究員さん・学生さんの多大なご協力があり、
非常にスムーズに会議全体が進行しました。
この場を借りてお礼申し上げます。
平成29年度から放医研において継続採択されたプロジェクトであるLiteBIRDで使用する部材の陽子ビーム照射試験を行いました。
今回は、当研究室の小松と片岡が中心となり、また国立天文台・Kavli IPMUのポスドク研究員も加わり
実行されました。
小松・片岡は、LiteBIRDで肝となる半波長板の性能評価系を改善し、
大変広い周波数範囲で0.1%の精度で透過率を計測するシステムの構築に成功しました。
今回は、サファイア基板のみならず、新しいタイプの半波長板の部材、また半波長板を回転させるのに必要な磁石
の照射試験を行いました。照射結果は、9月の物理学会で発表される予定です。
宇宙の熱いビックバン以前の宇宙の状態を探索する宇宙マイクロ波背景放射偏光観測衛星LiteBIRDが、
2017年7月28日に公表された文部科学省の
「ロードマップ2017」に掲載されました。
このドキュメントは、日本の大型プロジェクトの推進に当たって優先度を明らかにする観点から策定されたものです。
今回の策定では全部で7計画が選ばれ、その1つの計画がLiteBIRDでした。
また、LiteBIRD計画は、前回の「ロードマップ2014」にも新規の10計画の一つとして掲載されていました。
LiteBIRDは現在、宇宙科学研究所に準備チームが立ち上がり、概念設計段階に進んでいます。
東京立川にある統計数理研究所で行われた研究会
「天文学におけるデータ科学的方法」 が開かれました。
爆発的に増加している天文データを取り扱う方法として、統計学やディープラーニングなどのテクニックを
用いて、サイエンスを創出することが模索されています。
この研究会では、様々な研究者が集まり各々が持つ研究課題や問題点を紹介することにより、横断的な意見交換を行い、
新しい研究方法を展開することが目的です。
石野はLiteBIRDについて紹介し、データ解析に関して統計誤差や1/f雑音の問題を紹介しました。
今後、天文学の方々とデータ処理に関して、新しい方向性が見いだせれば本望です。
アクティブな標的として液体または気体の希ガスを用いたTPC(Time Projection Chamber)
の開発が、様々な応用を目指して日本において活発化されつつあります。
今回は、研究会ほどのものにせず、ざっくばらんに言いたいことを言える座談会という形式で
会合が行われました。座談会のホームページは
ここです。
総勢30名ほど参加し、活発な議論が行われました。
私は、液体ヘリウムTPCを用いた軽い暗黒物質探索という話題でお話しをさせて頂きました。
液体ヘリウムを用いたTPCの開発は、世界でもまだあまり進んでいませんが、
今後はより広く応用が期待されています。
なお、液体ヘリウムTPCの開発研究は科学研究費基盤研究(B)によって推進されており、KEKのクリーンルームや
産総研のCRAVITYを利用させて頂いています。
放医研HIMACでの陽子ビーム照射試験プログラムはH28年度末を持って一度終了となりました。
今回の成果発表では、これまでの3年間のプログラムの総結果の発表となりました。
日本グループ・アメリカグループの様々な研究者の方々の成果でもあり、
この場をかりて感謝したいと思います。
今後は、これらの成果について論文を書くことが重要な仕事になります。
なお、本プロジェクトはH29年度から新たなプログラムとして継続採択されました。
今後3年間もHIMAC重粒子ビームを利用させて頂けるということになりました。
新M1および新4年生を迎えて、半田山植物園にて恒例の花見を行いました。
雨が多い季節でしたが、その日はたまたま晴れてとても気持ちがよい1日でした。
今年は桜の開花が例年より遅かったですが、この日はちょうど岡山で開花日と
いうことでした。
留学生が持参した本場のカレーを参加者みんなが味わいました。
癖になるうまさで、花よりカレーという状態でした。
広島大学で行われた
Cosmic Polarimetry from Micro to Macro Scales において、LiteBIRDについて講演しました。
この会議では、マイクロ波・光・赤外・X・ガンマ線の偏光測定を行い、宇宙物理学をより
深く研究する実験の結果や計画を議論する場でした。
いろいろな分野の国内外の研究者が集結し、大変有意義な議論
が繰り広げられました。他分野のいろいろな方々と知り合いになることができ、
議論できたのは大変良かったです。
懇親会では、西条駅近くにある居酒屋で、大変おいしい日本酒を頂くことができました。
カナダのモントリオールで、B mode from Space という国際ワークショップが開かれました。
主にLiteBIRDについて深い議論をするための会議でした。
アメリカ・ヨーロッパ・日本から50名程度参加し、3日間の短い期間ではありましたが、
大変有意義な時間でした。
大学院生の小松君もポスター発表を行いました。右は発表しているときの写真で、
アメリカ人の研究者と議論しています。
学生にとっても英語で外国人と議論できる機会が得られ、よい経験だったと思います。
この会議の前の週に、アメリカグループはNASA MOのレビューを受けていました。
結果がわかるのは3月だということです。