演習:アンコンベンショナル超伝導
2005年10月から2006年2月の冬学期に、チューリッヒ工科大学(スイス)にて 演習授業を担当しました。
その授業は、Prof. H. R. Ottと Prof. M. Sigristによる講義 "Unkonventionelle
Supraleitung (アンコンベンショナル超伝導)" に対応した演習授業でした。
以下は、そのさい準備した演習問題とその解答です。
これらは、その前年度までに Dr. J. L. Gavilanoと Prof. M. Sigristとによって
作成されていたオリジナルを元に、Modificationを施して、Hayashiが作成したもので
す。
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演習1:
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解答1
- 圧縮率についての熱力学的関係式。
- BCSハミルトニアン(singletペアリング)の対角化。Bogoliubov変換。
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演習2:
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解答2
- フェルミ気体とフェルミ流体との比較。フェルミ流体パラメーター。(実験寄り)
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演習3:
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解答3
- 常伝導状態。逆向きスピンの電子間に斥力が働くときの電子ガスのスピン帯磁率。空間的なモジュレーションのある外磁場がかかったときの電子ガスのスピン帯磁率。
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演習4:
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解答4
- 一般化されたBCSハミルトニアンの対角化。スピンsinglet & スピンtriplet
(unitary)。
- ペアリング引力相互作用をスピン依存部分と非依存部分とに分けて書いたときの、
singlet と tripletのオーダーパラメーターそれぞれに対するギャップ方程式の表式。
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演習5:
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解答5
- クーパーペアの内部自由度によるスピン期待値と軌道角運動量の期待値。スピンtripletペア。
ABM状態、BW状態、および A1相 (non-unitary) の状態に対して。
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演習6:
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解答6
- 準粒子状態密度。
ABM状態 (point-node)、BW状態 (full gap)、および Polar状態 (line-node gap) に対して。
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演習7:
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解答7
- "vibrating-wire viscometer" を使った3He流体の粘性測定について。
- 超伝導体中の不純物による T_c の減少を表す式。ディガンマ関数。
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演習8:
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解答8
- 一般化したBCSハミルトニアンの対角化 (ゼーマン効果のある場合)。unitary状態。
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演習9:
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解答9
- ゼロ温度での超伝導凝縮エネルギー。
- ハイパボリック・タンジェントTanh を、松原周波数の和の式で表現する。複素積
分。
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演習10:
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解答10
- T_c 近傍での超伝導凝縮エネルギー (GL理論)。超流動 3He において、"Feedback
effect" を考慮した場合の結果と、weak-coupling BCSの場合の結果との比較。
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演習11:
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解答11
- 二成分 Ginzburg-Landau理論。4次項の係数による相図。
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演習S1:
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解答S1
- 二成分 Ginzburg-Landau理論。超伝導2段階転移。
10 February 2006, Nobuhiko Hayashi